100kmマラソンに魅せられて
私は子供のころから運動が苦手でした。特に嫌いだったのが長距離走でした。
そんな私が100km走るようになるのですから人生は何処で転機があるのかわかりません。
1983年に入社した会社で社内の駅伝大会があって、新入社員は必ず走らされたこと。
結婚して妻に誘われて登った山でバテて悔しかったこと。
そのような出来事があって、少しずつランニングはしていました。
1つ目の転機は、38歳のとき、職場で勝浦の10kmマラソンに行ったとき、陸上部の人が、私の同期の女性に向かって、「半年有ればフルマラソンは走れる」と言っているのを聞いて、俺にもできると思って3ヶ月後の館山若潮マラソンに申し込んで完走できたこと。
そして2つ目の転機は40歳の時に同じ職場で100kmマラソンに出た人がいたとき。
周りは「100km走るなんて凄い」と言っていたのですが、私はどのくらい凄いか自分で走ってみようと思いエントリーして完走したことです。
その頃には、フルマラソンでコンスタントに3時間半を切って、山岳レースや富士登山競争にも出場するようになっていたのでベースはできていたのです。
この初100kmウルトラマラソンに完走したことが人生を変えたと言っても過言ではありません。その後はどっぷりと100kmマラソンに浸かり、2016年まで18回完走しています。後2年で還暦ですが、60歳までには20回の完走を達成したいと思っています。
さて、51歳で独立して、56歳で会社を立ち上げたのですが、つくづく経営者はマラソンをするべきだと感じています。
マラソンの効果としては以下のようなことが挙げられます。①体力と健康の増進、かっこいい体形の維持ができる、②大会に向けた継続的なトレーニングを通じて、「継続は力なり」を実感できる、③大会は5kmのレースから100kmを超える超長距離まであるので、 誰でも成功体験を積むことができる、④5kmのレースを完走したら、次は10kmといった具合に、次の目標が設定しやすい、⑤孤独に耐える経験ができる、⑥マラソンに取り組んでいる元気な経営者と仲良くなれる、⑦弱気の声に打ち勝つ力がつく
特に重要なのは⑦です。
マラソンで完走するためには、途中で棄権しないことです。
この当たり前のようなことを邪魔しているのが弱気の声。私のようにウルトラマラソンを何度も走っていてもレース中は終始弱気の声との対話です。弱気な声は自分の頭の後ろから、いろいろとささやいてきます。悪魔の声とも言われます。弱気な声がささやくのは、
「明日の仕事に影響するからこの辺でやめよう」
「ここまで走ってこれただけでも立派。ここでやめでも悔いはない」
「今回は練習不足だったから、次回完璧に準備して臨めはいい」
「そもそも俺に100kmなんて無理だったことがわかった」
「ここで無理してゴールまで走ったら後遺症が残るかもしれない」
このような声に同意してレースを止めるひとは多いのです。
この弱気な声を黙らせて、最後まで走り続ければ、完走は意外と簡単なことに気がつくのです。
経営をしていると、いろいろな弱気な声が襲ってきます。
そんなとき、自分の成功体験を思い出せば元気が出てきます。その成功体験としての100kmマラソンの完走が私を支えてきました。
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